こどもの繁忙を理由とする面会交流拒否

年齢が高くなるについて、こども自身がいそがしいことを理由に拒否の意向を示すことがあります。小学校高学年になると、自分の日々のスケジュールをきちんと理解し、何曜日の何時から何時までは遊べる時間などを把握しているものです。そして、限られた時間の中で、何とか自由時間を確保しているこどもたちにとって、面会交流は二の次にならざるを得ない状況もあります。

服部弁護士:こどもがいそがしいことを理由に面会交流を拒否した場合、同居審がこどもの繁忙を理由に拒否していることになります。ただ、こども自体が拒否しているのでより一層、こどもの日々の生活に対する配慮が必要となります。

藤崎十斗:僕は10歳ですが、エチュードがあります(補講)。なので帰宅するのは午後7時ころくらいです。その後、ご飯を食べて明日の予習をして、少し同居親のパパとユーチューブやテレビ、ディスカッションをして寝ます。僕は、土日は、学校のバレーボール部のキャプテンとバスケットボールの応援にいっていて、部活が休みの日はアレックスやマサヤと遊んでいますね。そして、シュシュが来てくれるときはシュシュと遊びます。

服部弁護士:十斗は最近までフランス語の成績が悪かったから猛勉強していたよね。

藤崎十斗:うん。友人のお父さんが大学教授だし、パパに頼んで家庭教師をつけてもらったりしていますね。

服部弁護士:大人顔負けのハードスケジュールだね。

藤崎十斗:ひとりの時間も欲しいので、読書やゲーム、ユーチューブを作る時間も欲しいし、音楽を作る時間も欲しいんだ。

服部弁護士:ママとの面会交流はどうかな。

藤崎十斗:うちは、外食はほとんどしないし、ママと外食する必要性は感じないかな。

服部弁護士:平日の夕食、習い事の送迎、学校行事の参観といった面会交流をするのはどうかな。

藤崎十斗:それだと特に、時間を作る必要はないからいいですよね。そもそも、パパとだってさ、パパは建築家だから家にいるけど、仕事もしているわけであって、ご飯を作って送迎してもらって、それ以外の時間はご飯が中心だよね。あと一緒に動画みよ、っていうときくらいです。だから同居親だからといってベタベタしているわけじゃないと思うんだけどな。うちはパパの方針で、食事は2人でという決まりがあるので、僕やパパだけが食べるということはありませんが・・・。

服部弁護士:そもそも、十斗のスケジュールをママに伝えないと、ママには十斗の多忙さが伝わらないよね。

藤崎十斗:うーん。夏のバカンスはサマースクールでイギリスで過ごしていましたし、パパとも離れていましたからね。

やっぱり何回なら会っていいのかというよりかは、どのような会い方をしたいのかという聞き方が望ましいのではないでしょうか。